仏閣の仕事 襖絵・衝立

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実用性と装飾性を兼ねた襖絵は日本建築には欠かせないものですが、常に開閉するために、より耐久性に気を配る必要があります。
鳥の子紙、麻紙、または金箔を貼った金紙に描くことが多いのですが、弊社では特に金紙に描くものを得意としております。


金紙の襖絵

浄土真宗本願寺派 覚王寺様


覚王寺様は、札幌市にある浄土真宗本願寺派(お西)のお寺です。
明治29年に「浄土真宗本願寺派新琴似説教所」として開設され、明治38年に覚王寺と寺号公称認可され、平成7年に開教100年記念事業として、本堂等諸施設落成・慶讃法要厳修し、現在に至っています。

今回は、本堂の襖絵を担当させていただき、鳳凰を主として、浄土を荘厳するとされる孔雀と組み合わせて、右・左余間に5匹づつ描きました。

覚王寺様の「王」の字にちなみ、“争いを嫌い、人間界に姿を現すのは天下泰平の時だけ”といわれる瑞鳥(益をもたらす鳥)で、“鳥王”ともいわれる「鳳凰」と、その他浄土を荘厳するといわれる霊鳥を描きました。鳳凰と霊鳥の周りには仏華と散蓮を飛ばして、極楽浄土の華やかな空を表現しております。



右余間
全体に向かって右から左へと流れのある「動」のイメージで描きました。(画像をクリックすると拡大します)



左余間
全体に「静」のイメージの構図とし、メリハリをつけて描きわけました。(画像をクリックすると拡大します)

鳥の子紙の襖絵


襖に仕上がる前の状態です。


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真宗木辺派本山錦織寺様 大玄関衝立「霞ヶ浦図」


本誌寸法 巾1860×丈1476mm
御本山絵所頭 安川如風謹画
平成22年11月謹納

この衝立は、真宗木辺派本山錦織寺の親鸞聖人七百五十回御遠忌を記念して、修復したものです。
もとは、水墨画の異なる絵が描かれてある衝立で、絵も框の漆も金具も長い年月を経て傷んでおりました。修復するにあたり、御本尊の由来である、関東霞ヶ浦の伝承を新しく描くことにしました。框の漆は塗り直し、金具は鍍金直しをして、古い衝立に新しい命を吹き込むことができました。


錦織寺御本尊由来「霞ヶ浦の伝承」

親鸞聖人が関東布教の折に立ち寄った霞ヶ浦で、湖中より阿弥陀像を引き上げられ、その阿弥陀像を関東からの帰京の途、錦織寺に安置したといわれています。絵は、霞ヶ浦の三叉沖にて、親鸞聖人と漁民達が、阿弥陀像を今まさに引き上げとする様子を雄大な風景とともに描いたものです。
画面中ほどの湖に浮かぶ二隻の船のうち、上方の船の中央で網を引き上げておられる方が親鸞聖人です。網で湖面に上がってくる阿弥陀像は純金泥を用い、輝く様子を金の輪で表現しました。


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