建造物彩色とは、ご本堂の主に内部を、伝統的な吉祥の文様や極楽浄土を表す絵を描き、色や絵で荘厳することです。
具体的に彩色する部分をいいますと、柱や桁など、ご本堂を直接支える建築部材です。
お寺様ごとで、建物の大きさや構造が異なりますし、文様や絵の種類・描き方なども様々ありますので、各お寺様のオリジナルものに仕上がります。
建造物彩色では、現場彩色と表具彩色の2通りの彩色方法があります。
現場で直接建築部材に彩色する方法です。
作業的には簡単明瞭な工程ですが、かなりの時間と体力を要します。 しかし、現場より離れて彩色をする表具彩色対して、常に現場で作業することで、全体のバランスや、木のゆがみに対して、随時変更、微調整ができ、最終的には絶妙な仕上りにすることができます。
工房で彩色した紙を、建築部材に糊で貼付けていく方法です。
はじめに現場で採寸作業が必要ですし、一見、手間暇が掛かるように見えますが、現場で立体的なものに直接彩色をすることは、かなりの体力と時間が必要です。それを工房の安定した机の上で彩色することで、時間の節約になります。また、現場での滞在日数を大幅に抑えることができるため、一般的に、現場彩色よりお値段を抑えることができます。